言葉の世界

言葉から、世界を知り、世界を創っていくブログ

【ふくわらい】西加奈子「定の体は、絶対にそこにあって、それは、定の体以外の、何ものでもないのだ」

【ふくわらい】 西加奈子 定は、まず、暗闇の中で、自分の手を見てみる。見えないはずなのに、見えるような気がする。何故なら、そこに手は「ある」からだ。定はしばらく、自分の体の気配を感じる。真っ暗闇の中、動かずにじっとしていると、体の輪郭が溶け…

【よろこびの歌】宮下奈緒「歌う楽しさなんて、私は知っていたのだろうか?」

【よろこびの歌】 宮下奈緒 多くを望まないつもりで、実際にはとても多くを望んでしまっていたことに私はすぐに気がついた。うまくなくてもいいから歌う楽しさを知ってほしいと、たぶん私は思っていた。たぶん、というのは、そのときの率直な気持ちを正確に…

読書記録13【チーム】堂場瞬一

【チーム】堂場瞬一 チーム (実業之日本社文庫) 作者: 堂場瞬一 出版社/メーカー: 実業之日本社 発売日: 2014/10/10 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 大好きな箱根駅伝の物語。 わたしの住んでいる場所は 箱根駅伝の選手が走る 国道一号線の…

【アムリタ】吉本ばなな「その考えを吐き出すのは、お話を作ることしかないって思った」

【アムリタ】吉本ばなな 「夢に神様みたいなてかてか光った人が出てきて、何かを言ったんだ。そうしたら何かが変わっちゃって、頭の中が止まらないんだ。人間は、毎日ご飯を食べて、うんこやおしっこをして、毛が伸びて、ほんとは絶対にとどまれなくて、今に…

【ⅰ(アイ)】西加奈子「「みんな同じ」という「  」の中にみんなで入れられているようなものだった。」

【ⅰ(アイ)】西加奈子 日本の学校は属すということにかけては、これ以上なく適した場所だった。 アイの入学した私立の中学は同じ制服があり、同じ体操着があり、同じ給食があった。 「みんな同じ」という「 」の中にみんなで入れられているようなものだった…

詩の表現は自由だ

小学校2年生の3学期終わり クラス替えの前に 詩集を作成しました。 その詩を よく覚えています。 【お手紙】 おてがみ、おてがみ だしてごらん きっと、きっと お返事きますよ 切手をわすれずに わすれずに じぶんの住所 あいての住所 わすれずに わすれず…

【まく子】西加奈子「みんな「話すこと」を欲しがるモンスターみたいだった」

【まく子】 西加奈子 噂話はそこら中にあったけれど、大抵はみんなの暇つぶしの種にしか過ぎなかった。話すことが特別ないから、じゃあ誰かの噂話でもしましょうか。そんな感じだったし、その話の真相を本人に直接聞くこともしなかった。みんな「本当のこと…

読書記録12【空が青いから白をえらんだのです】奈良少年刑務所詩集

【空が青いから白をえらんだのです】奈良少年刑務所詩集 空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫) 作者: 寮美千子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2011/05/28 メディア: 文庫 クリック: 4回 この商品を含むブログ (8件) を見る こ…

【あと少し、もう少し】瀬尾まいこ「誰にも踏み込まれたくない。俺の中を知られたくない。」

【あと少し、もう少し】 瀬尾まいこ 「しつこく誘われるのは面倒だし、もしかしたら走ることも何か意味があるのかなって。まあ、そんな感じで来たんだ」 誰にも踏み込まれたくない。俺の中を知られたくない。ただそれだけの理由でここに来た。ばかばかしいけ…

【王国 その2】よしもとばなな「出し惜しみすると、かえって減っていくから。」

【王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法】よしもとばなな 「雫石は、自分の持っているものは、これまでの山奥での変わった暮らしだけだと思っているけど、そんなことはないよ。君は君でいるだけで充分いろいろ起きると思うから、もうどんどん手放…

【夏の森】銀色夏生「孤独で 細くとがって 人に理解されにくい」

【夏の森】 銀色夏生 私がほんとうに言いたいことは何だろう 今 言いたいことは 孤独で 細くとがって 人に理解されにくい やさしく ひんやりした 透明な何か 理解されにくい。 理解されたい気もするし、 簡単に、理解されたくない気もする。 繊細なわたしの…

【光の帝国 常野物語】恩田陸「そうすれば、あんたの背中には草は生えない。」

【光の帝国 常野物語】 恩田陸 「毎日を大事に暮らすことさね。しっかり目を開けて、耳も掃除して、目の前の隅っこで起きていることを見逃さないことだね。そうすれば、あんたの背中には草は生えない。草の生えない人間が、世界に生えた草を取ってくれる」 …

読書記録11【他動力】堀江貴文

【他動力】 堀江貴文 多動力 (NewsPicks Book) 作者: 堀江貴文 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2017/05/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (7件) を見る これから先 自分を生きていくなら 必読書だと思う。 目次だけ読んでも エッセンスが盛りだく…

新しい言葉5【轍(わだち)】

聞いたことはあるのに 意味がわかってない なんとなくの言葉が けっこう多いものです。 知らなくても 前後の文で ニュアンスがわかるから ひとつ、ひとつの意味まで きちんと調べることはなかった。 ひとつ、ひとつの意味を調べると 今度は文章が読めなくな…

【ラリルレ論】野田洋次郎「合わないとこは合わないんだよ。 許すしかないんだよ」

【ラリルレ論】 野田洋次郎 「合わないとこは合わないんだよ。 許すしかないんだよ」 こんな言葉をかけられた。ほんとそうだ。 これがわかってれば、きっと大丈夫なのに。 僕らはどれだけ相手に、期待して生きてるんだろう。誰かにわかってほしいんだろう。 …

読書記録10【MIRACLE】あーす・じぷしー

【MIRACLE】あーす・じぷしー 人生のおともになる本。 ただの本ではありません。 何かあると、この本をひらいて メッセージをもらいながら 対話しています。 ミラクル 奇跡の毎日が始まる 作者: あーす・じぷしー naho maho 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売…

「ぬ」の詩【めとぬ】

「め」と「ぬ」 ふたりは双子? それとも兄弟? 「め」はストレート 真っすぐなお兄ちゃん。 「ぬ」は くるっと最後にひとひねりする 癖のある、おとうとくん。 このまま行くようで 一度方向転換。 全部一緒は嫌なんだ。 少しくらい脇道にそれて 探検してか…

【つるかめ助産院】小川糸「先生の口から当たり前のように語られる自由な発想がうらやましかった」

【つるかめ助産院】 小川糸 先生の口から当たり前のように語られる自由な発想がうらやましかった。そして、自分の先生のようにたくましくなりたい、と強く思った。今までずっとしがみついて生きてきた私のこだわりなんて、先生の言葉の前では、軽く吹っ飛ん…

新しい言葉4【耽美】

耽美(たんび) こんな言葉を使う人が それこそ、大和なでしこのようで 美しいのではないだろうか? 耽美の「耽」は 初めてお目にかかりました。 「耽」はどんな子かといいますと、 〖耽〗 タン・ふける 度をすごしてたのしむ。夢中になる。ふける。 なるほ…

読書記録9【サーカスの夜に】小川糸

【サーカスの夜に】小川糸 自分のことで 変えられるところと 変えられないところがある。 主人公の少年は 13歳だけど 見た目は10歳のままで それ以上、身長が伸びることはない。 ずっと 小さいままで 成長していく。 その小さいところを 自分だと受け入…

【地球に生きる私たちにできること】ムラキテルミ 木村秋則

【地球に生きる私たちにできること】 ムラキテルミ 木村秋則 読んだり、読みたかった本を、人様に見られるのって、裸を見られるより恥ずかしいかも・・・・・・と、聖書と広辞苑を残し、処分しました。 本の好みって、 その人を表してくれるよね。 人の本棚…

【きいろいゾウ】西加奈子「そんな美しい言葉が、当たり前で、ありふれていて、」

【きいろいゾウ】 西加奈子 「彼は言いました。あなたの夫は、言いました。私は妻を愛している、と。そんな美しい言葉が、当たり前で、ありふれていて、そしてかけねのない言葉がこの世にあることを僕は忘れていたような気がします。それは水道の水のように…

【チエちゃんと私】よしもとばなな「誰かを必要として、その人なしでは生きられなくなるのがこわかったから」

【チエちゃんと私】 よしもとばなな こういうふうになるのがいやだったから、誰かを必要として、その人なしでは生きられなくなるのがこわかったから、私はずっとひとりでいたんだなと思った。何かを決めるというのは大人のすることで、私はまだ大人になって…

「り」の詩【理解】

理解したいな あなたのこと 理解したいな わたしのこと こころは どうしても 目には見えなくて 手で触れることも できなくて だけど こころを 理解したいんだ 理屈じゃなくて 理解したい まるごとのみ込んで 全部を分解していきたい 理由を知りたいんじゃな…

【四月になれば彼女は】川村元気「好きになれるものの総量が」

【四月になれば彼女は】 川村元気 「でも、好きになれるものの総量があらかじめ決まっている人は、無限に好きなものが増えていく人より幸せかもしれない」 なに? その意味深な一言。 無性に気になる、 でも、意味がわからない、 よくわからない わかれない…

読書記録8【詩ってなんだろう】谷川俊太郎

【詩ってなんだろう】谷川俊太郎 詩とは何か? 谷川俊太郎さんが 詩というものを 詩で教えてくれてる本。 詩ってなんだろう (ちくま文庫) 作者: 谷川俊太郎 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2007/05/01 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 7回 この商品…

新しい言葉3【アバンチュール】

今日、職場で急に出てきた言葉。 「アバンチュール」 「アバンチュールなひとときを 過ごしましょうよ。」 じゃあないけれど、 そんな冗談を話してました。 あ、職場は 老人保健施設です。 リハビリ室で、リハビリをしています。 作業療法士さんが、 利用者…

【男ともだち】千早茜「お前がそう感じるんなら、誰に否定されたってそれが真実や」

【男ともだち】千早茜 「ええんちゃう。お前がそう感じるんなら、誰に否定されたってそれが真実や」 「ありがとう」 その言葉が自然にこぼれた。私はきっと好き勝手にしか生きれないだろう。強欲で傲慢で一人よがりで。そういう人間だ。それでも、その言葉が…

【食堂かたつむり】小川糸「振り返れば、奇跡のようにかけがえのない毎日だった」

【食堂かたつむり】 小川糸 あの頃は、別れと出会いが一気に津波のようにおとずれて、体力的にも精神的にも一日を生き抜くだけで精一杯だったけれど、振り返れば、奇跡のようにかけがえのない毎日だった。 渦中は気づかない。 激しい渦にのみ込まれて 息をす…

読書記録7【サーカスナイト】よしもとばなな

【サーカスナイト】よしもとばなな 人と人とがつくる場所。 場が場であることですでにある場所。 人が場をつくるのか、場が人をつくるのか。 なぜだろう、この本を読んでそんなことを思いました。 場について書いてある物語じゃないのだけどね。 わたしが、…