ことばの世界

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本ことば045【いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ】田口ランディ「お互いがお互いのおいしさを引き出しあうの。」

【いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ】田口ランディ

 

 

ぬか床というのは、いろんな野菜を漬けると、

どんどんおいしくなるのね。

 

きゅうりはきゅうりのまま、

なすはなすのまま、

にんじんはにんじんのまま、

それぞれの野菜が、それぞれの野菜のまま、

ぬか床のなかで醸されて、

お互いがお互いのおいしさを引き出しあうの。

 

ぬか床の菌も野菜も、みんなお互いに助け合っているのだけれど、

だからって、なにもしていないの。

 

なにもせずに、ただ、ぬか床のままで、あるがままにいるだけで、

おいしくなって、それぞれに、それぞれを助けているの。

 

 

 

 

野菜のお話だけど

人も一緒だよなぁ~。

 

そのままの自分でいるだけで

勝手に化学反応が起こって

おいしくなっていく。

 

そのままでいるだけ。

変に、何かをしようとしない。

 

あるがままだからこそ

お互いに補いあって

おいしくなっていく。

 

 

もし、にんじんがきゅうりになろうとするならば

そんなの無理だし、

味も触感も色も

にんじんでもきゅうりでもないものに

なってしまうかもしれない。

 

 

もし、にんじんが菌のチカラをかりずに

自分のチカラだけで発酵しようとするならば

きっと発酵不十分になるだろう。

 

 

というより、

発酵できないのかな?

 

 

 

 

関係ないように思う

人と人の関係でも、

 

すでに

その人を知っているというだけで

ひとつの関係は生まれてる。

 

 

それが、

家族だったり

同じ職場の人だったりしたら

関係性はそれだけ強くなる。

 

 

 

何もしていないようで

すでに、周りにいるだけで

自分にも影響がある。

 

 

 

わたしもぬか漬けのように

おいしさを引き出しあえるような

人との関係性を築いていきたいなぁ。