ことばの世界

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本ことば063【一年四組の窓から】あさのあつこ「どんなささいなことでも、迷ったり、悩んだりしたとき、杏里は自分の中の自分に問いかける。」

【一年四組の窓から】あさのあつこ

 

 

杏里はドアに手をかけた格好で、しばらく躊躇していた。

どうしよう・・・・・・。

このほこりと暑気の中に、入っていく?

自分に問いかけてみる。

いまさら何言ってんの。自分で決めたことでしょ。

少しつっけんどんな冷たい声が返ってくる。杏里自身の声だ。

どんなささいなことでも、迷ったり、悩んだりしたとき、杏里は自分の中の自分に問いかける。

ねえ、どうしたらいい?

すぐに答えが返ってくるときもあるし、何も聞こえないときもある。今は「しっかりしなさいよ」と背中を叩かれた気がした。

自分で決めたことでしょ。しっかりしなさいよ。

 

 

これ、自分との「対話」だよね?

 

 

「わたしはどうしたい?」

「わたしはどう感じてるの?」

 

どんなささいなことも、自分に聴いていくこと。

 

 

周りの意見に左右されない。

周りの言うことを鵜呑みにしない。

 

それを聴いて

「自分がどう感じるか?」を自分に問って

そこで自分が納得するならその意見を採用するし

そうでないなら採用しない。

 

 

すべては、自分が決めているんだ。ということ。

 

 

 

人生の全部が自分の選択で成り立っている。

 

 

だから、

どんなことでも自分と対話するの。

 

 

簡単なようで、

長年のクセって抜けなくて

 

とことん自分と「対話」するぞ!と

決意して習慣化するまでやらないと

いつの間にか世間の意見に流されていっちゃう。

 

誰かの言ったことをそのまま採用してしまう。

 

 

簡単に、

自分の人生の決断を何かに任せることになってしまう。

 

 

 

 

大きな決断の前には

小さな決断が何段も、何十段も積まれてる。

 

「この道は右に曲がる?左に曲がる?それとも真っすぐ?」

「今、何を食べたいの?」

「言われた言葉を聴いて、わたしはどう思ったの?」

「もう寝たいの?」

「何にそんなに怒ってるの?そもそも怒っているの?」

「今日はどの洋服を着たいの?」

 

 

ささいなこと。

自分に問いかけるの。

 

答えは自分の中にあるからね。

 

 

自分との「対話」は必要不可欠なものだ。

もちろん、人との「対話」もね。

 

 

一年四組の窓から (光文社文庫)

一年四組の窓から (光文社文庫)

 

 

今までの本ことばのまとめはこちら

 

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