ことばの世界

本から自分を知っていく、そんな場所

黒と白の境界線

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黒と白の境目が
どこなのかなんて
はっきりできなくて

境目がつけられないから
灰色という
色が生まれて


だとしたら、
黒と灰色と白の境目は
一体どこになるというのだろう


永遠に
グラデーションは
つづいていく世界


はっきりしなくちゃ
いけないこともあるけれど
はっきり決められないことの方が
この世の中には多いんじゃないかな

本ことば059【異性】角田光代 穂村弘「遺伝子の段階で「孕む」「孕んだものと、離れる」の両方をいやというほど知っている」

【異性】角田光代 穂村弘

 

私には出産の経験がないが、しかし、自分ではないだれかを腹のなかで育て、世に送り出すというのは、想像を超えた何かであるとは思う。恋愛の絆を女性が求めるのは、それと関係しているのではないかな。つまり、私たちは産んだ産んでいないにもかかわらず、遺伝子の段階で「孕む」「孕んだものと、離れる」の両方をいやというほど知っている。離れる、のは文字どおり身を切られるくらいかなしくつらいことではないか。

 

 

遺伝子の段階で

女に生まれたからには

もう女なんだと思う。

 

 

この言葉たちを読んで

自分が女であることに感動を覚えたと共に

自分と一緒だったはずのものが

離れて別のものになる感覚に

出産もしたことないくせに

身震いをした。

 

 

 

胎児がお腹の中にいるとき

それは、まぎれもなく

自分と一体のものだった。

 

 

卵子精子が受精して

もとの自分の細胞である卵子

男性の細胞の精子が出逢い

そして、別の細胞へと変わっていく。

 

 

この受精した瞬間から

自分であり、自分でないものを

お腹の中で育てることになる。

 

 

自分と同じなはずなのに

全てはひとつだったものなのに

お別れするタイミングがやってくる。

 

 

もしかしたら

お腹にいるときから

別のものって

わかってたのかもしれない

 

でも、

同じものとも

思ってたのかもしれない

 

 

 

 

自分と切り離すこと

 

 

 

なんか、

宇宙と一緒だと思った

 

 

 

宇宙はひとつで

自分自身も宇宙と一緒で

すべてが同じだった感覚

 

 

それが

別物として

切り離されてしまう

寂しさ

怖さ

哀しさ

 

 

分離しないと

自分がわからないから

あえて

別々のものにしたのかもしれない

 

 

でも

もとは自分の一部だったことも知っている

 

 

 

不思議な感覚。。。。

 

 

 

子宮は宇宙。

女性の宇宙の中で

子どもは育っていく。

 

 

この世界が

子宮の中が

すべてでもあるかのように。

 

 

 

それが

地球に産み落とされた

分離感は

おそろしいものがあったんじゃないかな

 

 

 

女性からしても

自分だったはずのものが

別の存在になるのって

痛みが生じてる気がするんだ

 

 

 

女の遺伝子が

騒ぎ出してる感じがするよ。

孕みたいのかもしれないな。

 

 

 

異性 (河出文庫)

異性 (河出文庫)

 

 

 

今までの本ことばのまとめはこちら

 

kotoba-no-sekai.hatenablog.com

 

【本屋めぐり 001】丸善@御茶ノ水

完全に

ふっとの思い立ち。

 

 

どこかの駅で降りると、

少しでも隙間時間ができると、

引き寄せられるように

本屋さんへと行くから。

 

その記録を残したくなったのが

今日だったというだけ。

 

 

カラダ考察学という

マニアックな講座スタッフを

してきた帰り。

 

 

御茶ノ水丸善は、

医学書も割とあって

「人体の不思議」などの本に

引き寄せられた。

 

(完全に、講座の影響ありまくり)

 

 

 

細胞、ひとつひとつの写真が

アートで美しいのね。

 

だから、

見てるだけで

身体ってすごいわー。と

思えてくるの。

 

 

実際、

身体ってすごいんだよ。

 

 

 

文庫本コーナーで発見!

 

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思わず、

ミーハーでサイン本買ったよね。

 

著者からの

メッセージがあるだけで

本の魅力が倍増効果あり。

 

 

書店員さんの

ポップを読みながら回るのも

大好物。

 

 

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こちらは、

作者さんからも

書店員さんからも

メッセージあり。

 

 

ずーっと気になってた本で

何度か手にとっては戻してたから

次は買うことでしょう

(今日は荷物が多すぎて諦めた)

 

 

 

 

ふらーっと

滞在時間10分。

 

 

今度は

も少しゆっくりと

まわりたいなぁ

 

 

 

いい人仮面

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いい人の仮面が
顔の皮膚に同化するように
ピターーってへばりついてる

剥がそうとすると
皮膚まで剥がれてしまうくらいに

 

仮面が
本当の顔であるかのように
我が物顔で住みついて
何年たっているんだろう?

 

わたしの
本来の顔って
どんなだったのか?

思い出そうと
こびりついた、いい人仮面を
少しずつはがしてる。


剥がす時は痛いんだ
ペリって音がするたびに
心が痛むんだ


素顔でいたい気持ちと
素顔を出すのが怖い気持ちと
どっちもどっち


素顔を忘れちゃったんだもん

忘れたってことは
思い出させるってこと

 


いい人じゃない
わたしの顔


いい人仮面を剥がして
生きていこうと
思うのです

 

本ことば058【生きるとは、自分の物語をつくること】小川洋子 河合隼雄「自分の心の形に合うように、 その人なりに現実を物語化して 記憶にしていくという作業」

【生きるとは、自分の物語をつくること】小川洋子 河合隼雄

 

 

人は、生きていくうえで

難しい現実をどうやって受け入れていくか

ということに直面した時に、

それをありのままの形では到底受け入れがたいので、

自分の心の形に合うように、

その人なりに現実を物語化して

記憶にしていくという作業を、

必ずやっていると思うんです。

 

・・・・・・

 

臨床心理のお仕事は、

自分なりの物語をつくれない人を

作れるように手助けすることだとわたしは思っています。

 

 

 

 

みんな、自分の物語を生きている。

自分だけの物語をつくっている。

 

事実を事実のままにしないで

起こった事実に自分の感情が乗っかって

記憶が出来上がっていく。

 

記憶っていうのは

自分の都合のよいように脚色されるものだから。

 

脚色された部分があることで

自分の物語が完成していくんだ。

 

 

過去にあった辛い記憶が

とらえ方を変えると

幸せな記憶に変わることがある。

 

 

起こったことは変わらないのに。

 

 

それは、

記憶を上書き保存して

何か新しいものを加えたからだ。

 

 

記憶を変えていく。

物語にしていく。

 

 

物語にしていくって

夢のある言い方だよね。

 

 

わたしは、

自分の人生を生きるわたしは

わたしが主人公の物語を生きていると

思っている。

 

物語は死ぬまで続いてく。

死んだ後も、誰かの物語では

わたしは生きているかもしれない。

 

 

過去のことも、

今、現在も

未来のことを

全ては物語になる。

 

 

物語は、自分の世界。

 

 

だから、

自分の都合の良いように

受けとりやすいように

変えてっていいんだ。

 

 

 

一人で出来ないときは

手助けしてくれる人もいる。

 

 

 

忘れちゃいけないのは

手助けしてくれる人がいようと、いないと

あなたの物語の主人公は

あなた以外には存在しないってこと。

 

 

わたしは、

今日どんな物語を生きて

明日はどんな物語を生きていくのだろう。

 

 

生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫)

生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫)

 

 

 

今までの本ことばのまとめはこちら

 

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本のことばは、わたしを知るきっかけ

何もないところから

話しかけるのは苦手。

 

考えるのも

ゼロからだと

何を考えればいいのか

迷子になる。

 

それなのに、

いろんなことを

誰かと話してみたい。

表に表現してみたい。

そんなわたし。

 

 

だからね

「本」というモノがあって

ページに書かれている言葉たちが

わたしのきっかけの糸口になる。

 

 

うんうん、そうだよね。

わたしも、同じようなこと感じてた。

っていう共感。

 

えーーー、

それは絶対にありえない!と

思ってたよ。

っていう否定的な気持ち。

 

 

あ、こんな考え方もあるのね。

っていう発見。

 

 

きっかけがあるおかげで

わたしは、わたしを知る事ができる。

 

 

いつでも、そばにある「本」が

わたしの先生でもあり

わたしのおともだち。

 

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本ことば057【まく子】西加奈子「本当のことを言おうとするとき、ぼくはいつも話すのが下手になった。」

【まく子】西加奈子

これでは分かってもらえないだろうと思った。やっぱりぼくは、言葉が足りなすぎた。

最近のことだけではなかった。本当のことを言おうとするとき、ぼくはいつも話すのが下手になった。もどかしくて、ぼくは時々大声で叫びたくなった。そして実際、誰もいないときは叫んだ。ああ、とか、うお、とか、なんでも良かった。叫ぶと自分の中から、何か分からない魂が出てゆくような気がした。そしてそれが出てゆくと、少し、ほんの少しだけ、ぼくはすっきりするのだった。

 

 

 

【ことば】が足りなさすぎるのは

わたしも一緒だ。

 

とくに、

ほんとうのことを

言おうとするときね。

 

 

とても、わかる。

一緒だよ。

 

 

不思議なんだけど、

ことばにならなくなるの。

 

 

言いたいことは

こころにあるのに

うまく【ことば】にできなくて

 

もどかしくて

言えない自分が苦しくて

 

なのに、

まるでノドが麻痺したかのように

肚から心へと上がってきた【ことば】は

ノドでつっかえてでなくなる。

 

 

言えればいいのに。って

わかってるよ、

わかってるんだよ。

 

 

 

でも

あたまで考えていることとは裏腹に

思い通りにいかないカラダ。

 

 

 

だから、

そういうときは

きちんと【ことば】にしなくても

いいんだってことが

わかったんだ。

 

 

 

「あああああ!!!」でも、

 

「うおおおおおーーー!」でも、

 

「ぎゅうぎゅるるる」でも、

 

「いーーやーいーー」でも、

 

「ぐわあーー!」でも、

 

 

【ことば】にならない【ことば】を

ただただ出せばいいんだって。

 

 

文字にさえできないような

「あ“▲×▽◇■~~~」

って【ことば】だっていいから。

 

 

【ことば】にできない想いって

あるんだもん。

 

 

そこを

きちんとしようと

しなくっていい。

 

 

それよりも

貯め込まれた

【ことば】にすらできない想いを

外へ出してあげるんだ。

 

 

やってみたら、わかるよ。

ほんとうに、すっきりするから。

 

 

やってみないと、わからないよ。

 

 

人のいない、

ひとりの場所でやればいいから。

 

 

叫べなかったら

ひとり、ぼそぼそと言ってみてもいいから。

 

 

 

わたしは、

ふとんの中でもぞもぞと言ったり

帰り道にひとりごとを言いながら歩いたり

あえて、海に言って叫んだり

いろいろ、やってみてる。

 

ノートに

よくわからない文字で

グルグルと書きなぐることもあれば

 

彼に

「あ~ぎゃうわーー」と

宇宙人のように

言うときだってある。

 

 

 

【ことば】は必要だけど

【ことば】がすべてではない。

 

 

 

出した【声】そのものにも

いろんなものが

のっかってるんだからね。

 

 

まずは、

どんな【声】でもいいから

出してみるんだ。

 

 

それでも難しかったら

カラオケで歌をうたうのも

おすすめだよ。

 

 

どれにおいても、

【出す】ことには

変わりないの。

 

 

出さないと、

貯め込まれたものは

出ていくことはなく

 

次第に

腐っていっちゃうから

出していこうね。

 

 

まく子 (福音館の単行本)

まく子 (福音館の単行本)

 

 

 

 

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