ことばの世界

本から自分を知っていく、そんな場所

本ことば027【きいろいゾウ】西加奈子「そんな美しい言葉が、当たり前で、ありふれていて、」

きいろいゾウ】 西加奈子

 

「彼は言いました。あなたの夫は、言いました。私は妻を愛している、と。そんな美しい言葉が、当たり前で、ありふれていて、そしてかけねのない言葉がこの世にあることを僕は忘れていたような気がします。それは水道の水のように、蛇口をひねったらいくらでも出てくる言葉で、そして夏の日の陽炎のように、ぼんやりと頼りないものです。でもそれは、僕らが堂々とこの世界にいられる、日が暮れたら眠り、そして起き続けるための、とても大きな感情だったのだろうと思います。」

 

 

「愛してる」の言葉は、

この世界にあふれている。

 

愛を伝える、美しい言葉。

 

 

一回しか言ってはいけないなど

回数制限も何もない

伝えたかったら何度でも言える言葉。

 

 

 

なのだけれども

わたしは「愛してる」のこの一言が言えない。

 

 

いや、正確に言えば、

大好きな彼に対して言えない。

 

 

友だち同士での

「愛してるよ~」とか

「大好きだよ」はいくらでも言える。

 

 

でも、

彼に「愛してる」と言おうとすると

どうしても口が開かない。

 

 

誤解しないでほしいのは、

わたしが彼のことを本当は好きじゃない。と

思わないで欲しいってこと。

 

 

そうではなくて、

本当に好きだからこそ、言えないの。

 

 

「愛してる」は、

想いを伝える最高の言葉。

 

 

何度でも口に出していいはずなのに

わたしは、

「言うならばこの一回しか言っちゃいけない。」と思うくらいに

想いを込めようとしている。

 

 

命がけで、「愛してる」を言おうとしている。

 

 

「愛してる」と口に出したら

自分の命がそこで消えてしまうかのように。

 

 

 

それくらいの覚悟が必要な言葉なんだよ、

わたしにとっての「愛してる」って。

 

 

でも

「愛してる」はどこにでもあるの。

 

 

地球からの、宇宙からの愛をうけて

わたしたちは生きているから。

 

 

 

だから、

「愛」はなくならない。

 

「愛してる」だって

何回言ったとしても

つきることがない。

 

 

 

命をかけて

「愛してる」を

何度も伝えていい。

 

 

 

命いっぱい生きているなら

「愛してる」の言葉意外の

どんな言葉にだって

責任はあるのだし

命がけの言葉に

すべてがなるんだ。

 

 

 

きいろいゾウ (小学館文庫)

きいろいゾウ (小学館文庫)

 

 

本ことば026【チエちゃんと私】よしもとばなな「誰かを必要として、その人なしでは生きられなくなるのがこわかったから」

【チエちゃんと私】 よしもとばなな

 

こういうふうになるのがいやだったから、誰かを必要として、その人なしでは生きられなくなるのがこわかったから、私はずっとひとりでいたんだなと思った。何かを決めるというのは大人のすることで、私はまだ大人になっていなかったのでなるべく何にも決めたくなかったのだろう。

 

 

ひとりでいることを

ずっと選んでました。

 

ひとりで立っていることが

かっこいい。

 

誰かに頼るのが嫌だった。

 

 

頼ってしまったら

その人なしでは

生きられない自分になってしまうのでは?

って、わたしも思ってた。

 

 

甘えたい自分がいることを

認めたくなかった。

 

 

わたしは

誰とも仲良くなくても

寂しくないし

一人でいられるし

大丈夫だから

構わないで。

入ってこないで。

と、バリアはってた。

 

 

もし、

頼った人が

わたしの重さに耐えきれなくなって

離れて行ってしまったら

どうしたらいいのか

わからなくなるから。

 

 

その後に

ひとりで立ち上がる自信なんてない。

 

だったら、

はじめから

倒れないでいいように

ずっと一人でたっている方が

気が楽だ。

 

 

そう。

弱さを認められなかった。

 

 

そして、

倒れたときに立ち上がれる

自分の真の強さも

認められなかった。

 

 

 

強いふりしていて

実は弱くて。

 

その弱さは

強さへと移り変わる。

 

 

弱くていい。

頼れる弱さを

わたしは欲しい。

 

 

頼るからといって

自分の足で立たなくなるわけじゃない。

 

 

自分の足で立って

転んでも起き上がれる強さがあるから

頼ることができるんだから。

 

 

 

 

チエちゃんと私 (文春文庫)

チエちゃんと私 (文春文庫)

 

 

「り」の詩【理解】

理解したいな

あなたのこと

 

 

理解したいな

わたしのこと

 

 

 

こころは

どうしても

目には見えなくて

手で触れることも

できなくて

 

 

だけど

こころを

理解したいんだ

 

 

理屈じゃなくて

理解したい

 

 

まるごとのみ込んで

全部を分解していきたい

 

 

 

理由を知りたいんじゃなくて

理解したい

 

理由の前の

そのままのこころを

理解したい

 

 

理解したいココロは

理解されたいココロでもある

 

 

ぜんぶは

難しいこともわかってながら

それでも、一部でもいいから

理解していきたいんだ

 

 

リアルは人との関わりは

自分の独立、

自分のリーダーシップと、

臨機応変な歩み寄り

 

本ことば025【四月になれば彼女は】川村元気「好きになれるものの総量が」

【四月になれば彼女は】 川村元気

 

「でも、好きになれるものの総量があらかじめ決まっている人は、無限に好きなものが増えていく人より幸せかもしれない」

  

 

なに?

その意味深な一言。

 

 

無性に気になる、

でも、意味がわからない、

よくわからない

わかれない。

 

 

 

好きなものは

無限に増えていく。

 

それがいいと思って

何も疑ってなかったけど。

 

 

【好きなものの総量】

ということばが

わたしを惹きつけてやまなかった。

 

 

 

わたしの

【好きなものの総量】って

いったいどれくらいなんだろう・・・?

 

 

 

無限に好きを求めたら

キリがなくなるのかも。

 

 

 

好きになっても

好きになっても

好きになっても

 

もっと

好きを探し出したくなったら

好きを求めるオバケみたい。

 

 

 

この【好き】で満足したら

もっともっとでなくて

限りある総量の中で

容量を満たして

【好き】の密度を濃くしていくんだろう。

 

 

 

あぁ、

それって女性の満たし方に繋がるんだ。

 

 

 

 

器を大きくしていくことで

入ってくるものを多くして

量で満たしていくのではなくて

 

 

一定の自分の器に

入ってくるものを凝縮して

ぎゅーっと満たすこと。

 

 

 

大きさではなくて

密度で満たしていく。

 

 

 

 

そうなの。

 

 

 

この容量には

ここまでしか入らないって

大きさだけで判断すると

気持ち良さってそこで終了するの。

 

 

 

その容量に達したところで

気持ち良さが完了して

感じて終わる。

 

 

 

でも、

その先にもっともっとある

気持ち良さがあるんだよ。

 

 

 

容量が満ちたところから

密度を濃くしていくこと。

 

 

 

感じた~って

すぐに外には出さない。

 

 

内側で感じていくの。

 

 

 

 

自分の器をね

【好き】や【気持ち良さ】で

ぞんぶんに満たしてあげるの。

 

 

 

 

自分が「ここまで」って線を引いてる先に

まだ、知らないものがあったってこと。

 

 

 

 

 

【好きの総量】も

そういうことなのかな?と考えたのでした。

 

 

 

 

自分の器は

今、何で満たされてる?

 

 

その密度はどう?

 

 

 

女性はね

器の生き物だから。

 

 

入れることで満たされていくのです。

 

 

 

何でもいれればいいんじゃなくて

入れて心地よいもので

満たしていきたいよね。

 

 

四月になれば彼女は

四月になれば彼女は

 

 

 

 

 

読書記録8【詩ってなんだろう】谷川俊太郎

【詩ってなんだろう】谷川俊太郎

 

詩とは何か?

 

谷川俊太郎さんが

詩というものを

詩で教えてくれてる本。

 

詩ってなんだろう (ちくま文庫)

詩ってなんだろう (ちくま文庫)

 

 

 

あれも詩。

これも詩。

それさえも詩。

 

 

「詩」と変換しようと

「し」を打つと

わたしのパソコンは一番に

「師」を出してくる。

 

 

「詩」は「師」かもしれないな。

 

 

感性をゆさぶってくれる

師匠みたいなもの。

 

その感性をもっているのは

自分自身だけれども。

 

 

だから、

自分さえもが

「師」になりえるのかもしれない。

 

 

 

わたしは

リズムのよい「詩」が好き。

 

意味はなくとも

リズム感だけでたのしくなる。

 

 

 

小学生のときに

何度も読んだ詩は

いまでも、空で言える。

 

 

この本にも出ていたけど、

谷川俊太郎さんの「いるか」

 

いるかいないか

いないかいるか

……

 

 

いるかが

いるか

 

イルカ?

居るか?

 

あえての

ひらがなで

全部をかいてあるから

どっちがどっちだか

見てはすぐにわからない

 

 

いるかを

探すわけでもなく

いるかのリズム、

いるかの発音

そんなものを楽しんでた。

 

 

一文でも詩になってしまうし。

 

詩って

なんなんだろう。

 

文章との違いは

どこにあるんだろう。

 

 

 

わたしは

詩がなんだかわからないけれど

詩が好きな気がします。

 

 

 

 

 

 

 

 

新しい言葉3【アバンチュール】

 

 今日、職場で急に出てきた言葉。

「アバンチュール」

 

 

「アバンチュールなひとときを

 過ごしましょうよ。」

 

じゃあないけれど、

そんな冗談を話してました。

 

 

あ、職場は

老人保健施設です。

 

リハビリ室で、リハビリをしています。

 

 

作業療法士さんが、

利用者さんに、冗談で

アバンチュールななんたら。

と、話してました。

 

 

アバンチュール。

アブノーマル。

 

 

アバンチュールってなんだ!?

と、他の利用者さんが言い出して。

 

その場でスマホで調べてみると。

 

 

 

f:id:kotoba-no-sekai:20171004203314j:image

 

 

なんだか、

危険な香りがしてきますね。

 

 

アバンチュールって、

昼間より夜が合っている。

イメージだけど。

 

 

危険な恋って

どんな恋でしょう。

 

秘密の恋?

火傷しちゃうような恋?

 

 

 

夏の夜が

アバンチュール似合いそうですね。

 

 

今日は、中秋の名月

もう、秋です。

 

 

アバンチュールな秋。

 

んんーーー。

なんだか、しっくりこないですね。

 

 

秋はアンニュイな方が似合う。

 

アンニュイって調べたら、

退屈。倦怠(けんたい)。」

の意味だそう。

 

 

ちなみに、

アバンチュールも

アンニュイも

フランス語みたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

本ことば024【男ともだち】千早茜「お前がそう感じるんなら、誰に否定されたってそれが真実や」

【男ともだち】千早茜

 

 「ええんちゃう。お前がそう感じるんなら、誰に否定されたってそれが真実や」

「ありがとう」

その言葉が自然にこぼれた。私はきっと好き勝手にしか生きれないだろう。強欲で傲慢で一人よがりで。そういう人間だ。それでも、その言葉があるのとないのとでは大きく違う。

 

 

 

わたしの感じたことが

わたしにとっての真実。

 

 

わたしが感じていることを

誰がわかるというのだろう。

 

 

それでも、

不安定な土壌で

グラグラしているココロは

確実な答えを欲しがる。

 

 

わたしのことを

一番に信じられないとき。

 

 

誰かが

わたしのことを

信じてくれることで

一寸先に光があらわれる。

 

 

 

あなたが

わたしの感じたことを

わたしの真実として

信じてくれるのならば。

 

 

そんなに心強いことはない。

 

 

 

そして、

わたしの感じたことを

信じられるあなたは

 

あなたの感じたことを

あなたが信じているからこそ。

 

 

 

 

だから、わたしは

誰に何と言われても

わたしの感じるままに

生きていけるのだ。

 

 

 

 

男ともだち (文春文庫)

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