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本ことば103【蜷川実花になるまで】蜷川実花「両極のバランスをとることが、私の創作活動においてのキモになっています」

蜷川実花になるまで】 蜷川実花

 

ただ、撮っている時は戦略的なことは一切考えません。撮っている瞬間は純粋に撮りたいから撮っているだけです。

撮影時は、どこまで不純物を排除し、イノセントになれるか。どれだけピュアな気持ちでシャッターが切れるか。その1点が本当に大切になってきます。逆に発表時にどこまで第三者的な視点をもてるかといった、両極のバランスをとることが、私の創作活動においてのキモになっています。その距離は、離れていれば離れているほどにいいんです。中間はいりません。結構、徹底してそうするように心がけています。

 

 

 

両極のバランス。

 

極端な自分に

戸惑うことがあったんだけど

「その距離は、離れていれば離れているほどいいんです」

の言葉に気づきが起きた。

 

 

 

両方をありにはしてたけど、

その距離を近づけようとしていたから。

 

 

中庸に近づくように

離れていたふたつの距離を

縮めようとする。

 

 

すると、

両極にいるものは

反発してそり離れようとする。

 

「わたしの個性を、一緒くたにしないでよ!」って。

 

 

 

近頃のわたしで言えば

「おおらかな、大雑把な部分」と

「繊細で、こまかい部分」が

戦いあっていて。

 

 

 

「だいたいでいいんじゃない?

きっちり決めないで、大まかにやってれば

自然とかたちになっていくよ。」

 

と思いながら

 

「でもでも、もっときちんとしておかないと。

詰められるところは、先を予測して

やっておいた方が、後が動きやすいし」

 

 

「いやいやいや、計画したところで

その場で違うことが起きたら

結局は行き当たりでになるんだから、いらないって」

 

 

「でもでもでも、

その先まで予測して動いてたら

突然のことにもたいてい、動じないで動けるよ」

 

 

みたいな、感じ。

 

 

 

両方を同時に存在させようとして

苦しかったんだ。

 

 

 

片方に行くときは

どっぷり、そっち側に行く。

 

 

その側が満足したら、

思いっきり反対側に行く。

 

 

 

そうして、動けば

両方を活かせるから。

 

 

 

片方に偏ってるより

両方に入り込みながら

どちらもありにしているのが

わたしは心地よい。

 

自分のバランスがとれている状態になる。

 

 

 

 

蜷川実花になるまで (文春文庫)

蜷川実花になるまで (文春文庫)

 

 

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