ことばの世界

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本ことば075【ハーモニーの幸せ】田口ランディ「他人を思い通りにしたい私がいる」

【ハーモニーの幸せ】田口ランディ

 

他人を思い通りにしたい私がいる。自分のイメージの屋久島を相手に押し付けようとしている私だ。そして、怒られるとすぐにふてくされる私がいる。「だったら、もういい」と関係を切ることで物事を決着させてしまう友達。どちらも、私だ。

 

 

ううう。

過去の傷がえぐられた。

ちょこっとだけ。

 

 

一度、

思いっきりえぐって

血みどろになるまで出して

嗚咽とともに向き合った傷。

 

 

 

思い出したくないと思ってたけど

傷が癒えてきてたのか、

書くことが自分で許可できた。

 

 

こうして

時間と共に傷は修復されていくんだと

時間を置くことの偉大さを感じた。

 

 

でも、

傷の下にある膿を出さなかったら

時間を置いていくたびに

くさっていくから注意。

 

 

因果応報、

傷の痛みを感じることからは

逃げられないんだと思う。

 

 

 

 

なにが、

上の文章で傷をえぐられたかって。

 

 

 

そのまんまの、わたしだったんだ。

 

 

 

 

人を支配したがって、

コントロールしてた。

 

 

表立ってのコントロールじゃなくて

目立たないように

自分の思い通りに動いてもらうように

謙虚なふりをして動かしてた。

 

 

「こう言ってもらったら、嬉しいんでしょ?」

みたいな、

全てわかってます。風な感じでさ。

 

 

神にでもなったつもりか、と

突っ込みたくなる。

 

 

 

 

わたしは、

わたしの力で

思い通りになる世界しか

生きたくなかったから、

 

そうじゃないものは

徹底的に排除していた。

 

 

別にいなくてもいいよ。って

すぐに切る。

 

 

スパッと

切れ味の良い刀のように

一瞬で切り捨てる。

 

 

 

無自覚で

ずっとそんな生き方をしていた。

 

 

 

気づかされた時は

もう、いたたまれなくなって

自分を直視したくなかった。

 

 

 

でも、

膿を出さないと

傷は化膿していく一方だったから。

 

 

 

直視して、

感じて、

そうして、

自分に付属している

切り離すことのできない傷と

一緒に過ごしたんだった。

 

 

 

そうやって、

自分の中にある

一部の自分を認められなかったから

排除していたから

 

人のことも排除して

いいところしか見ないように

していたんだった。

 

 

 

ああ、

気づけてよかった。

 

 

ハーモニーの幸せ (角川文庫)
 

 

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