ことばの世界

本から自分を知っていく、そんな場所

読書記録19【空と海のであう場所】小手鞠るい

【空と海のであう場所】小手鞠るい

 

題名に惹かれた。

 

 

空と海のであう場所 (ポプラ文庫)

空と海のであう場所 (ポプラ文庫)

 

 

 

「空と海のであう場所」

って、どこだろう。

 

海を眺めると

その先には水平線があって

空と接している場所がある。

 

 

単純に表現したら

空も

海も

青色が浮かんでくる。

 

大きくカテゴライズしたら

同じ青。

 

だけど、

細かく分けると

全然違う青。

 

だから、

水平線となって

であう場所を想像できる。

 

 

 

わたしの

人生のテーマカラーは

「空色」

 

あるセッションの時に

色を訊かれて

浮かんできた色。

 

 

「空色」は

単純に「青色」ではなくて

日により移り変わっていく青。

 

 

カラッとした明るい青。

泣きたくなるような澄み切った青。

曇りかかった静かな青。

雲の白と遊ぶような青。

夜の闇色に近づいていくダークな青。

夏の気持ちがオープンになる清々しい青。

 

いろいろな表情を

覗かせてくれる。

 

 

ひとつじゃない「空色」

だけど、ひとつしかない「空」

 

 

自由を教えてくれる空と雲。

 

 

 

そういえば

小説に、こんな文章があった。

 

作家となったアラシが書いた

物語の中の文章。

 

***

 

たいせつなことはゆきつくことではなくて、歩きつづけること。

留まることではなくて、歩きつづけること。

心のなかに、青空のように澄みきった孤独と、

空を流れる雲のような自由があるかぎり

迷うことなく、命の最期の瞬間まで歩いていけるはずだ。

そう信じてきた。

なのに、なぜ?

この胸の痛みは、さびしさを感じるのは、なぜか。

 

***

 

アラシは

孤独と自由を大切にしてきた。

 

 

そんなアラシに

わたしは共感していた。

 

 

どうせ、

人は最期は一人だし

ずっと一人でいればいい。

その方が楽だ。と、

つっぱって孤独を選ぼうとしていた。

 

 

だけど、

だけど。

 

 

孤独と自由と。

もっと大切にしたいものがある。

 

 

それを

欲しいと言えた時、

手に入れることができるのだと思う。