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読書記録13【チーム】堂場瞬一

【チーム】堂場瞬一

 

チーム (実業之日本社文庫)

チーム (実業之日本社文庫)

 

 

 

大好きな箱根駅伝の物語。

 

わたしの住んでいる場所は

箱根駅伝の選手が走る

国道一号線のすぐ近く。

 

観に行こうとすれば

歩いて30秒でコースに到着する、

そんな環境で育ちました。

 

 

なので、

1月2,3日は

当たり前のように

箱根駅伝を見ていました。

 

 

大学生の選手たちが

とても年上のお兄さんだったのが

いつのまにか、

今年の大学一年生は

一回りも年下になるほどに

私も歳を重ねていることに驚きました。

 

 

ちなみに、

駅伝は箱根駅伝しか観ません。

出雲駅伝

ニューイヤー駅伝

興味がありません。

 

 

好きな駅伝は

箱根駅伝のみ。

 

 

応援する側にとっても

特別な駅伝なのです。

 

 

 

さて、

そんな箱根駅伝がメインの

「チーム」。

 

 

他にやることを差し置いて

一気読みしました。

寝る時間も忘れて、

夜更かししました。

 

 

ちょうど、

わたし自身が

個人競技よりも

チーム競技が好きなことを

認識した日に読んだ。

ということも

巡り合わせなのかもしれません。

 

 

「なぜ、チームで行うことが好きなのか?」 

を、本を読みながら考えていました。

 

 

 

駅伝。

チームの個人、個人のベストタイムが

はやいからといって、

そのチームが優勝するわけではない。

 

 

走っているのは、一人なのに。

 

 

「チーム」の登場人物の中で、

誰よりも走ることがはやく、

自分のためだけに走っている男がいました。

 

駅伝もチームのためになんか走らない、

自分のベストタイムを出すために走る。

 

 

その態度に、

学連選抜の他のメンバーは

怒りを覚えます。

 

 

 

だったら、

駅伝なんか出ないで

ずっと一人で走ればいいのに。。。

 

 

 

駅伝は

サッカーや野球のような

一緒にプレイするチーム競技と

また、違う一面があるのだと思います。

 

 

みんな、走るだけ。

 

 

 

もちろん、

箱根駅伝の10区には

特徴がありますから、

各々の場所にふさわしい人が走ります。

 

 

 

だけど、

なんていうのかな。

 

 

走るだけなんです。

そして、襷をつなぐ。

 

 

駅伝を経験したことない私の想像なんて

想像の範疇を超えることはないけれど。

 

 

 

一人で走るだけでは発揮できないパワーを

チームの一員として走ることで

得ることができることが魅力なのだと思います。

 

 

 

あの、襷をつなげるために

どれだけのドラマが隠されているか。

 

 

自分だけのエントリーだったら

途中棄権しているであろう状態でも

次のランナーへ襷を繋ぐためならば

走ることを選択できる。

渡すその瞬間まで、

足を止める選択はない。

 

 

そこには、

チームがあるから。

 

 

誰かのためだからこそ、

発揮できる力があること。

それは、しあわせなこと。

 

 

自分だけでは

所詮、頑張れないんだ。

 

 

自分のために生きるけれど

その、自分の力を

誰かの役に立ててこそ

生きている実感を

人は味わうのだからこそ。