ことばの世界

本から自分を知っていく、そんな場所

本ことば037【アムリタ】吉本ばなな「その考えを吐き出すのは、お話を作ることしかないって思った」

【アムリタ】吉本ばなな

 

「夢に神様みたいなてかてか光った人が出てきて、何かを言ったんだ。そうしたら何かが変わっちゃって、頭の中が止まらないんだ。人間は、毎日ご飯を食べて、うんこやおしっこをして、毛が伸びて、ほんとは絶対にとどまれなくて、今にしかいられない作りになってるのに、どうしてか昔のことをおぼえてたり、先のことを心配したりする。不思議で、不思議でって考えてたら、その考えを吐き出すのは、お話を作ることしかないって思った。いろんな人のいろんなことを書いているうちに、自分の感じていることがはっきりわかりそうな感じがして。」

 

 

いろんな視点で考えて見たい。

世界のことを。

 

自分の考えを知りたい。

自分の感じてることを知りたい。

 

 

だとしたら

いろんな人のことを書いていたら

自分のことが多角的に

わかることができるのではないか。

そう思う。

 

 

お話をつくること。

 

お話という画面に

自分のココロを反射させることで

画面に映った自分を見ることができる。

 

 

わたしという人間は

わたしという人間にしかなれなくて

誰かに代わる事はできない。

 

 

だけど、

わたしが、どんな人間か

説明することが

これほどまでに難しいのかと

日々、苦しむのです。

 

 

自己紹介、嫌い。

自分の何を紹介したらいいのか、

まったくわからない。

 

はじめての人たちのところにいくと、

決まってある自己紹介。

 

何を紹介しろというのだろうか。

何をいえばいいのだろうか。

 

 

自己紹介が上手い人はいいよね。

と、人の自己紹介を聞きながら

受けがいい人、

興味を惹かれる人、

すごいなぁ。と、心底思う。

 

そして、

自分の順番が

一生まわってこなければいいのに。

と、切に願う。

 

 

 

書いた文章を壁に貼っていて

それを読んで、

自己紹介としてほしい。

その方が、うんと楽。

 

 

話して伝えないといけないのは

辛いなぁ。

話すの、苦手。

 

 

だから、

こうやって文章を

誰も見てなくても

ただただ書いているのだろうけれど。笑

 

 

わたしの感じる不思議は、

わたしは、文章として

残していきます。

今も、これからも。

 

 

それは、

きっとさ、

息を吸うように自然なことで

息を吐くように毎日すること。

 

ただただ、生きている。

息を止めることだってできない。

息をしている間は

否が応でも生きている。

 

 

わたしは、

今、生きている不思議を

これからも感じ続けるのだろう。

 

 

 

 

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