ことばの世界

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読書記録55【西洋菓子店 プティ・フール】千早茜

【西洋菓子店 プティ・フール】千早茜

 

西洋菓子店プティ・フール (文春文庫)
 

 

甘いだけの人生なんて、つまらない。

 

艶めく欲望、ほろ苦い後悔、

明日への活力ーー

極上のスイーツに惹かれ、

頑固職人のじいちゃんと

孫の亜樹の店を訪れる人々。

 

 

いろんな味があるから

人生は豊かになっていくのかもしれない。

 

 

「楽しい」だけで

日々を過ごしていたいと

そう願うことも

少なくないけれど。

 

 

辛いことがあった時に

なんでこんな思いをしなくちゃいけないの。

と、悲しくなったり。

 

腹立たしいことがあった時に

なんでこんなことが

私の身におこるの!?

と、怒りに包まれたり。

 

 

様々なうごめく感情が

あるからこそ、

人生はおもしろくなるんだ。

 

 

 

甘さの中にある

苦さ

さわやかさ

すっぱさ

しょっぱさ

からさ

 

 

甘い中にあるから

ひきたってくれる。

 

 

 

いつも甘い

ほっとする味も欲しいし、

だけれど

いつも同じだと

飽きていくという

わたしのわがままさ。

 

だから、

たまに

スパイスを手に入れて

違う味を知るからこそ

 

より、

甘さが甘さとして

引き立っていくんだなぁ。

 

 

 

一人の人の中に

たくさんの味がある。

見せているのは

たった一面だけで

他の側面だって

いくつも、いくつもあるんだ。

 

 

ひとつを知っただけで

全部を知った気になるのは

なんて、おこがましいのだと

思うわけです。

 

 

わたし自身だって

まだまだ自分の知らない側面

わたしの味が

あるのだっていうのに。

 

 

 

 

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