本ことば093【いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ】田口ランディ「ことばを、ただの記号として使わない」
【いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ】田口ランディ
初女さんの、ことばへのこだわりは深い。ことばに、思いをこめている。ただ、ことばを道具のように使うのではなく、ことばを通してことばを超えた実感、フィーリング、雰囲気を伝えようとしている。初女さんのことばを聞いているうちに、少しずつ「ことばを、こえてね」ということが、わかってきた。
ことばを、ただの記号として使わない。ことばは、からだとつながっていて、実感として発せられるものでなければ伝わらない。頭だけでことばをいじくりまわしても、相手には伝わらない。
からだが感じた体験を、伝えるためのもの。
それが、ことば。初女さんは、そのように、ことばを使っている。
「ことばへのこだわり。」
「ことばをこえた、ことば。」
ことばは記号じゃないんだよね。
ただの文字の羅列ではなくて、
そこに想いが乗っかるから
ことばとして相手に伝わるんだ。
この「ことば」の後ろには、
あなたのどんな想いが、
どんな定義が隠れさているのか?
そこが、わかってるか、わかっていないかで
ことばとの付き合い方って変わってくるよね。
ことばは、共通語であり、
独自語でもあるから。
同じ、「楽しい」でも
楽しいのニュアンスはみんな微妙に違う。
同じことばのはずなのに、
違うことばになっていく不思議。
「アホ」って言われて嬉しい人と
「アホ」って言われて怒る人がいる。
同じ「アホ」っていうことばなのに
おもしろいよね。
「アホ」を言う側と受け取る側の
それぞれの想いがあるにしても
愛情を込めた「アホ」なのか
ムカムカした「アホ」なのか
ことばには、
そういった想いがのっかるから
ことばはことばなのに、
ことばだけではないものが伝わっていくんだね。
わたしも「ことばをこえたい」
だから、
身のあることばを使っていくんだ。
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