ことばの世界

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本ことば083【まく子】西加奈子「みんなで分かるからこそなおさら、その中の自分の「分かる」という気持ちを丁寧に慈しむことが出来た。」

【まく子】西加奈子

 

誰も、明らかに説明不足のぼくを責めなかった。ぼくたちは言いようのない共感の中にあった。それは言葉では追い付かないものだった。それぞれの想いを、それぞれで分け与えているような感覚は、でも、かえってそれぞれの体がひとつであることを、ぼくたちに教えてくれていた。みんなで分かるからこそなおさら、その中の自分の「分かる」という気持ちを丁寧に慈しむことが出来た。それがもしかしたらみんなの言う「自分だけのものだ」と思うということなのかもしれない。圧倒的な安心感のさなかにあるからこそ誰かと比べなくてもいい、この感覚こそが「自分だけのもの」なのかもしれない。

 

 

 

『「分かる」という気持ちを

丁寧に慈しむ』ってどういうこと?

  

  

「分かる」と思ったら

瞬間的に「分かる」と思ってしまう。

 

 

丁寧に。の時間は

少なくとも

これまで生きてきたわたしの人生では

なかったことだ。

 

 

 

でも、

 

『圧倒的な安心感のさなかにあるからこそ

誰かと比べなくてもいい、

この感覚こそが「自分だけのもの」なのかもしれない。』

 

の感覚は分かる気がするよ。

 

 

 

この場は安心しきれると思ったら

ただ、わたしはわたしでいることができる。

 

 

誰かと比べる時って

わたしだけではない

誰かの基準も自分の感覚に侵入してて

境界線があいまいになる。

 

 

人がいてこその自分で

侵入してきた誰かの基準に

いつの間にか浸食されてしまい、

人の感覚こそが

自分の感覚になってしまう。

 

 

 

あの人はああ感じてるから

この人はこう感じてるから

だから、

わたしはこう感じないといけない。

 

とか、

信じ切れていない場にいると

さぐってしまうんだ。

 

 

 

わたしもそう感じました!と

自分に催眠術をかけていく。

 

 

 

比べない。

 

 

自分の感覚を

うけたそのままに信じる。

 

 

 

だれにも侵されていない

自分だけの感覚。

それを信じてあげるんだ。

 

 

比べないでいられる場が

数人との場だとしてもあることに

心から感謝するよ。

 

 

あ、でも一か所じゃないな。

数か所あるかも。

ありがたいね。

 

 

 

そこで

練習して、トライして

だんだんと比べない場

自分の感覚を信じていられる場を

地球上に増やしていくのです。

 

 

 

まく子 (福音館の単行本)

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