ことばの世界

本から自分を知っていく、そんな場所

本ことば080【アナザー・ワールド 王国 その4】よしもとばなな「私の心の奥底には小さなときからずっと同じように、たったひとりでうずくまる場所がある」

【アナザー・ワールド 王国 その4】よしもとばなな

 

私の心の奥底には小さなときからずっと同じように、たったひとりでうずくまる場所がある。そういうのをこの人も持っている、そういう人だった。

 

 

うずくまる場所。

 

わたしも、もっている。

 

 

海の底に潜って

ひっそりとできるような

たった一人になれる場所。

 

 

 

一人になりたいことが

けっこうある。

 

 

物理的に一人になりたい。

心理的にも一人になりたい。

そういう時。

 

 

物理的に一人になる時間は

よくとっている。

 

 

お一人様での行動は好き。

 

 

自分の時間を好きに

きままに過ごしていく。

 

 

それは、

本屋さんをうろうろしてる時間

カフェで考えごとをする時間

散歩をしている時間

本を読んでいる時間

文章を書いている時間

ただただ寝ている時間

 

 

やりたい!って思ったタイミングで

そのまま動いていける

お一人様の時間は好き。

 

 

それは、

誰かといるときには

その人のことも考えて

合わせて行動する自分がいることが

充分にわかっているからこそ、

 

一人の時間をつくることで

自分を優先することを

大事に練習しているんです。

 

 

 

そしてね、

心理的に一人になる時間。

 

 

これはね、

自分の深い深いところに

潜っていく時間。

 

 

わたしの心との対話時間。

 

 

誰にもわかってもらえない

わたしの心を

わたしだけがわかってあげられるように

理解不明な「わたし」と

打ち解けていく時間。

 

 

 

誰かに話すことで

楽になれることもある。

 

誰かに話を

聞いてほしいこともある。

 

 

だけど、

それ以上に

一人で考えたいこともある。

 

 

自分の中で

落ち着かせる時間。

 

 

孤独だけど

ほっとする時間。

 

 

 

 

誰にもじゃまされない

自分だけの領域。

 

 

透き通ってて

音がなく静かな

わたしの声だけが聞こえる

そんな場所。

 

 

深い、深い場所。

 

 

 

そんな場所をもっている人と

やさしく、そっと

深い話をできたら

わたしは幸せを感じるのだと思います。

 

 

あ、

あなたも自分の大事な

自分だけの場所をもっている人なのね。と。

 

 

 

アナザー・ワールド―王国〈その4〉 (新潮文庫)

アナザー・ワールド―王国〈その4〉 (新潮文庫)

 

 

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