ことばの世界

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本ことば076【ツナグ】辻村深月「みんなに平等に不平等。フェアなんて誰にとっても存在しない」

【ツナグ】 辻村深月

 

狐につつまれたような気分のまま返事をすると、「そ」と頷いた彼女が、去り際に微笑んだ。

「世の中が不公平なんて当たり前だよ。みんなに平等に不平等。フェアなんて誰にとっても存在しない」

 

 

 

平等に不平等。

 

平等なのに不平等?

平等なの?

不平等なの?

 

どっちかになれない

この逆と逆が引き合っている感じが

どっちかに決められない感じが

わたしの好み。

 

 

 

 

平等なんていうけれど、

生まれた場所も

生まれた時代も

生まれた性も

全部違うんだから

平等じゃないんだと思ってしまう。

 

人間ひとりとして

見ていくとしたら。

 

 

 

 

もっと大きな視点で見てみたら

地球で生まれたから一緒。

時間は「今」しかないのだから

生まれた時代も一緒。

性だって、

宇宙からみたら

男も女もないのかもしれない。

 

 

 

こんなことを

考え始めると、

出口のない考えるループから

ずっと抜け出せなくなるのです。

 

 

「わからない」ことは

無理に全部わかろうとせずに

「わからない」ことが

世の中にはある。と

置いておいてもいいのかもしれない。

 

 

ツナグ (新潮文庫)

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