ことばの世界

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本ことば068【きいろいゾウ】西加奈子「私たちはいつだって、大切なときは恥ずかしがりやになった」

きいろいゾウ西加奈子

 

私はグッナイベイビーの感想を、そしてありがとうを言いたいんだけど、恥ずかしくて言えない。私たちはいつだって、大切なときは恥ずかしがりやになった。誕生日、大好きだと思うとき。今日もそう。ムコさんにありがとうを言いたいのに、恥ずかしくて言えない。だから私も、ムコさんのビールをもらうことにする。間接キッス、ほんとは、それさえ恥ずかしい。

 

 

伝えたい言葉がある。

伝えたい想いがある。

 

 

でも

恥ずかしくて言えない。

 

言いたいのに、言えない。

 

 

言いたいなら、言えばいいじゃない。

なんて突っ込みがどこからか

聞こえてきそうな気もするけど

言えないんだ。

 

 

「ありがとう」も「好き」も

たったの一言。

 

なのに、言えない。

 

 

言えないなら違う手だ!と

だったら抱きついてみようかと

試行錯誤するも

それすら恥ずかしくてできない。

 

 

目をそらし

そっけなくなってしまう。

 

いつもは、

器用にものごとをこなすクセに、

こういう時は思いっきり不器用になる。

 

 

こんなんじゃ、

わたしの気持ちは伝わらない気もしながら

彼だったら感じとってくれてないかな?なんて

淡い期待をしてしまう。

 

 

 

『めんどくさいな、わたし』と

自分でも思うよ。

 

 

ただ、

このめんどくさいのが

好きだったりするから

余計にやっかいなんだ。笑

 

 

「好き」と口に出さないで

自分のカラダ中を「好き」で満タンにして

幸せになっている。

 

 

口に出すと、

「好き」が外に出てってしまうとでも

わたしは思っているのでしょうか?

 

 

うーーーん、わからない。

 

 

わたしの彼はムコさんとは違って

ストレートに言ってくれる人だから

二人で恥ずかしがりやになってるわけじゃないんだけどさ。

 

 

きいろいゾウ (小学館文庫)

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