ことばの世界

本から自分を知っていく、そんな場所

読書記録23【塔と重力】上田岳弘

【塔と重力】上田岳弘

 

塔と重力

塔と重力

 

 友達に進められて読んだ本。

自分だったら、選ぶことのなかった一冊。

 

 

読んでいる最中から

どこか、置いてきぼりになった気がして

でも、最後まで一気に読みきれたのは

物語に入り込んでいたからなのだろうか?

 

 

終わりがない終わりは

永久に美化される。

 

忘れられない記憶は

青春の煌びやかな思い出として

キレイなまま保存されるように思える。

 

 

人は「今」を生きていて

過去に戻れることはない。

 

「今」は「今」でしかないけれど

「今」を生きてる「自分」が

本物なのかどうか、

わからなくなる時がある。

 

 

自分が思っている自分と

他者から見た自分。

 

 

いろんな自分が混在して

自分の輪郭が薄れていく。

 

 

SNSが発展した現代。

生身の自分以外の自分が

発信される機会が多くなった。

 

もっといえば、

自分が自分を発信しているだけならまだしも

他人から見た自分を発信されていたり、

アカウントをなりすまして

自分の偽物が、自分となって発信されることだって

起こりうることだ。

 

 

今、ここにいる自分と、

積み上げられていく虚像の自分。

 

 

考えていくたびに

何がなんだか、わからなくなって

私の脳みそはフリーズしたままだ。

 

 

今度、

この本を進めてくれた友人と会ったときに

お酒片手に、

本の感想を語りたいと思うよ。