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【十二歳】椰月美智子「何かになれる人はもうこの時点で、その何かに近づいているような気がするから。」

【十二歳】椰月美智子

 

「あーあ、よかったねえ。さえはいい子だから、なんにでもなれるさ」

そう言って、おばあちゃんはにっこりと笑った。

おばあちゃんは、昔から私に、「さえはなんにでもなれる」と、口ぐせのように言ってくれる。もちろん、私もなんにでもなれるって思ってる。思ってるけど、最近よくわからなくなってきた。だって、何かになれる人はもうこの時点で、その何かに近づいているような気がするから。

 

 

 

「その何か」は

一体、なんなのだろう。

 

 

人は

何に近づいて

何から離れていくのだろう。

 

 

自分という存在から

離れて何かになるのではなく

自分が自分のままにいて、

そこに

何かが近づいてきてくれるのが

わたしの理想だな。

 

 

 

わたしは

【何】になりたいのだろうか。

 

 

【何】って、

いったい何?

 

 

 

役割を生きるわたしは

その役割が同化してきて

自分と役割との

境界線がわからなくなる。

 

 

 

わたしは

わたしを追い求め、

誰よりも

【わたし】になりたいと願うようになった。

 

 

 

【何か】になるよりも

【わたし】でいることのほうが

よっぽど難しい。

 

 

 

そして

【わたし】でいることで

実は

何ものにでもなれる扉が

実は開くのかもしれないね。

 

 

十二歳 (講談社文庫)

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