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本ことば060【人生の道しるべ】宮本輝 吉本ばなな「そう、嫌なものは嫌なままです」

【人生の道しるべ】宮本輝 吉本ばなな

 

 

そう、嫌なものは嫌なままです。本質的なものは、そう簡単には変わらないものなんやね。「三世変わらぬを性というなり」という言葉があって、過去世、現在世、未来世の三世にわたっても、性分は変わらないとの意味です。しかし、昔はすぐに逆上してカーッとなっていた男も、三十年経つと、怒りの向かう矛先を身近な人から世の中への間違いへと変える。性は同じでも、その人はいい方向へ変化したといえますよね。

 

 

『嫌なものは、嫌でいいんだよね。』

わたしを安心させるように、何度か心の中でつぶやいた。

 

嫌なものは、あってはいけないとか

無理な話だもん。

 

嫌なものは、嫌で

それが何でなのかを説明できるものもあるけれど

説明できないものが多くある。

 

『なんとなく嫌なの』

 

でも、それが

過去世からのものでその性分が変わらないからよ。って

自分を納得させることができたなら

それで理由は十分なのだと思った。

 

 

 

なんでも、好きにならなくちゃいけない価値観を

自分でつくりあげていたから

嫌いなものがあるのがツラかった。

 

いや、食べ物の好き嫌いは激しくて

納豆や梅干し、炭酸が嫌い。

そういった嫌いは主張できてた。

 

 

みんなが『好き』というものを

わたしが『嫌い』ということは

無意識に避けていた。

 

 

みんなが好きなものは

わたしも好きでないといけない

っていう、わけのわからない呪い。

 

 

 

でもね、

嫌いなものは嫌いでいいし、

それが個性なのだから

そのままでいいんだよね。

 

 

 

まぁ、

嫌いが急に好きになる時もあるから

それもまた、おもしろいんだけどさ。

 

人生の道しるべ

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