言葉の世界

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【まく子】西加奈子「本当のことを言おうとするとき、ぼくはいつも話すのが下手になった。」

【まく子】西加奈子

これでは分かってもらえないだろうと思った。やっぱりぼくは、言葉が足りなすぎた。

最近のことだけではなかった。本当のことを言おうとするとき、ぼくはいつも話すのが下手になった。もどかしくて、ぼくは時々大声で叫びたくなった。そして実際、誰もいないときは叫んだ。ああ、とか、うお、とか、なんでも良かった。叫ぶと自分の中から、何か分からない魂が出てゆくような気がした。そしてそれが出てゆくと、少し、ほんの少しだけ、ぼくはすっきりするのだった。

 

 

 

【ことば】が足りなさすぎるのは

わたしも一緒だ。

 

とくに、

ほんとうのことを

言おうとするときね。

 

 

とても、わかる。

一緒だよ。

 

 

不思議なんだけど、

ことばにならなくなるの。

 

 

言いたいことは

こころにあるのに

うまく【ことば】にできなくて

 

もどかしくて

言えない自分が苦しくて

 

なのに、

まるでノドが麻痺したかのように

肚から心へと上がってきた【ことば】は

ノドでつっかえてでなくなる。

 

 

言えればいいのに。って

わかってるよ、

わかってるんだよ。

 

 

 

でも

あたまで考えていることとは裏腹に

思い通りにいかないカラダ。

 

 

 

だから、

そういうときは

きちんと【ことば】にしなくても

いいんだってことが

わかったんだ。

 

 

 

「あああああ!!!」でも、

 

「うおおおおおーーー!」でも、

 

「ぎゅうぎゅるるる」でも、

 

「いーーやーいーー」でも、

 

「ぐわあーー!」でも、

 

 

【ことば】にならない【ことば】を

ただただ出せばいいんだって。

 

 

文字にさえできないような

「あ“▲×▽◇■~~~」

って【ことば】だっていいから。

 

 

【ことば】にできない想いって

あるんだもん。

 

 

そこを

きちんとしようと

しなくっていい。

 

 

それよりも

貯め込まれた

【ことば】にすらできない想いを

外へ出してあげるんだ。

 

 

やってみたら、わかるよ。

ほんとうに、すっきりするから。

 

 

やってみないと、わからないよ。

 

 

人のいない、

ひとりの場所でやればいいから。

 

 

叫べなかったら

ひとり、ぼそぼそと言ってみてもいいから。

 

 

 

わたしは、

ふとんの中でもぞもぞと言ったり

帰り道にひとりごとを言いながら歩いたり

あえて、海に言って叫んだり

いろいろ、やってみてる。

 

ノートに

よくわからない文字で

グルグルと書きなぐることもあれば

 

彼に

「あ~ぎゃうわーー」と

宇宙人のように

言うときだってある。

 

 

 

【ことば】は必要だけど

【ことば】がすべてではない。

 

 

 

出した【声】そのものにも

いろんなものが

のっかってるんだからね。

 

 

まずは、

どんな【声】でもいいから

出してみるんだ。

 

 

それでも難しかったら

カラオケで歌をうたうのも

おすすめだよ。

 

 

どれにおいても、

【出す】ことには

変わりないの。

 

 

出さないと、

貯め込まれたものは

出ていくことはなく

 

次第に

腐っていっちゃうから

出していこうね。

 

 

まく子 (福音館の単行本)

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今までの「本ことば」のまとめはこちら

 

 

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