ことばの世界

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本ことば055【キアズマ】近藤史恵「どんなに愚かしくてもこれが俺自身だ」

【キアズマ】 近藤史恵

 

確かなことがひとつだけある。

俺には櫻井の見ている景色は見えないし、櫻井がなにに突き動かされて走るのかもわからない。だが、一方で櫻井にも俺の見てきたものは見えないし、俺がどうして競技をやめるのかはわからないだろう。

櫻井のように、がむしゃらに走れたらと思う気持ちもあるが、そうなるためには俺は俺であることをやめなければならない。

もしくは過去のすべてを忘れてしまうか。

そんなことはできないし、できたとしてもやりたくない。

どんなに愚かしくてもこれが俺自身だ

 

 

 

 

最近、ひっかかる言葉たちって

「人は人、自分は自分」がキーになっている。

 

 

誰かになろうとしても

誰かになった瞬間に

自分ではなくなる。

 

 

自分は自分しか

生きることができないということ。

 

 

 

人の見ている景色を

同じように見ることはできない。

 

 

隣に立って

見ることはできるかもしれないけど

 

それは、

同じ景色を見ているとは違うんだ。

 

 

 

 

自転車、ロードレースが

物語の主軸となっている本。

 

 

昔、付き合った人が

自転車をやってた。

 

 

だからか、

自転車の知識がいつの間にか

私の頭に蓄積されて

読むことができた。笑

 

 

 

そして、

エースを優勝させるための

チーム戦のロードレースの楽しさ。

 

 

誰がエースになるのか?

その葛藤もおもしろい。

 

 

 

個人戦のような

チーム戦のような。

 

 

 

ああ、

ひとつ再確認したこと。

 

 

わたし、チーム戦の競技が

見ることも、やることも好きだ。

 

 

個人競技より

チーム競技派。

 

 

自分のためだけよりも

人がいるからこそ方が

わたしは頑張れる。

パワーがみなぎる。

 

 

 

チームの一人でいるためには

わたしは、わたしでいないといけない。

 

結局は一人なのだけど、

一人じゃないのを感じさせてくれるチームが

心強い存在になるんだ。

 

 

キアズマ (新潮文庫)

キアズマ (新潮文庫)

 

 

 

 

 今までの「本ことば」のまとめはこちら。

 

kotoba-no-sekai.hatenablog.com