ことばの世界

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読書記録17【サラバ!】西加奈子

サラバ!西加奈子

 

 一日、家に引きこもって

上中下巻を一気読みした。

読書だけに集中できる時間をもてるって

行きたい国へ旅に出かけられるくらいに

自由なことだと思う。

 

サラバ! 上 (小学館文庫)

サラバ! 上 (小学館文庫)

 
サラバ! 中 (小学館文庫)

サラバ! 中 (小学館文庫)

 
サラバ! 下 (小学館文庫)

サラバ! 下 (小学館文庫)

 

 

わたしは、

人に合わせて

自分を守っている生き方を良しとして

長い間生きてきたし

今もその一面がある。

 

 

その場に合わせていることで

自分が飛び出ることはないし

大きな害を受けることもない。

 

 

だけど、

何かが突出している人には

いつも憧れてた。

 

 

幼稚園の発表会で劇があった。

 

 

主役は

シンデレラのようにいじめられてる女の子

(のちに、お姫さまになる)

わがままなお姫さま。

両方2人ずつ。

 

 

多くの女の子が、

のちにお姫さまになる女の子に立候補している中

主役に立候補しなくてもいいのに、

なぜだろう、私は

「わがままなお姫さま」に立候補をしていた。

 

 

が、しかし。

 

立候補の人数は少ないといっても、

ライバルはいるもので。

 

わたしを入れて、3人が立候補した。

落ちるのは、たった一人。

 

 

幼稚園生にとって、公平な手段

じゃんけんの結果。

 

 

わたしは、主役を落ちた。

 

その時に、

周りから聞こえてきた言葉が

今でも耳に残っている。

 

 

残った二人の方が、役に合っている。

わがままだもん。

  • ●ちゃん(私の事)は、その役は似合わない

 

と言われていた。

 

 

似合わないのか。

わたしは、わがままに見られていないのか。

なんなのか。

 

 

自分自身に面白味がないように感じて

悲しくなった5歳の思い出。

 

 

なぜ、こんなことを思い出したのだろう?

 

 

 

サラバとは関係のない話になってはいるけれど

間接的には関係しているのでしょう。

蘇った記憶があるから。

 

 

 

 

突出した人がうらやましくて

強烈な個性が欲しくて

でも、それを欲しがって

個性を演じていくと

逆に個性が失われていく。

 

 

個性は

自分がわからない部分で

勝手ににじみ出るものらしい。

 

 

 

わたしは、

わたしがとても平凡で普通で

つまらないオンナだと思っていたけれど、

周りから見たら

どうも個性的で変わっているらしい。

 

 

合わせている部分もあるかとは思うが

合わせていない部分も

充分に持ち合わせているようだ。

 

 

要は、人間は

そのままを生きているだけで

充分に個性的だということです。

 

 

 

「サラバ」のように

合言葉のみたいな

魔法の呪文のみたいな

そんな言葉が

わたしにも欲しかったな。

と、

人の個性をうらやむように

「サラバ」という言葉にも

同じような想いを抱くのでした。

 

 

きっと、

わたしにも

魔法の呪文があるのかもしれないな。