ことばの世界

本から自分を知っていく、そんな場所

本ことば040【きいろいゾウ】西加奈子「必要なもの   」

きいろいゾウ】  西加奈子

 

必要なもの

 

・朝食のトマトと岩塩

・そば殻の枕

・お香「ピーターパン」のにおい

・・・・

・欠け始めた月

 

 

 

ぼくのつま

 

 

 

最初と最後の違いは、

【わたしのつま】がそこに入っているか、どうか。

 

 

入るにいたった物語が

その間の450ページ以上につまっている。

 

 

気持ちが満たされた。

西加奈子さんの世界観が好き。

 

 

どの登場人物も愛おしくなって

みんなに恋をしてしまう。

 

 

 

ムコとツマの関係に

自分と彼を照らし合わせる。

 

 

あぁ、この人と一緒にいたいな。

この人だから好きなんだな。

 

 

その好き、

もといえば「愛してる」を確認するために

一度、心がはなれることもある。

 

 

離れたから、わかる。

「やっぱり、この人だった」

っていうあの感覚。

 

 

わたしは、

何度味わったことだろう。笑

 

 

むしろ、

その感覚を味わうために

何度も離れては、戻っていたのではないかと

思ってしまうくらいに。

 

いや、何度もやる必要はないんです。

 

 

きっと、わたしは

大事なものをすぐに見失ってしまうから

何度も、何度も繰り返しては

そのたびに思い出すことをしていたんだね。

 

 

あったかい関係、

わたしとあなただからこそ

創り上げることのできる空間。

 

 

「この人がいないと生きていけない!」

っていう依存とは違う、

 

「この人がわたしには必要」という感覚。

 

 

ムコさんの

「必要なもの」に入っていた

・朝食のトマトと岩塩

・そば殻の枕

・お香「ピーターパン」のにおい

・・・・

・欠け始めた月

 

 

などのものたちのように、

 

ツマは

日常に彩りを加えてくれる、

自分を立ち返らせてくれる

そんな存在なんだろうな。

 

 

 

 

きいろいゾウ (小学館文庫)

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