言葉の世界

言葉から、世界を知り、世界を創っていくブログ

本ことば

【ハゴロモ】よしもとばなな「同じような気持ちでそばにいるだけで、語り合う言葉がないほうがかえって通じ合える」

【ハゴロモ】よしもとばなな 「同じような気持ちでそばにいるだけで、語り合う言葉がないほうがかえって通じ合えるということのすばらしさを私はその歳にしてもう知っていたみたい。」 言葉がなくってもいい。 言葉がないほうが通じ合えることがある。 そば…

【キアズマ】近藤史恵「どんなに愚かしくてもこれが俺自身だ」

【キアズマ】 近藤史恵 確かなことがひとつだけある。 俺には櫻井の見ている景色は見えないし、櫻井がなにに突き動かされて走るのかもわからない。だが、一方で櫻井にも俺の見てきたものは見えないし、俺がどうして競技をやめるのかはわからないだろう。 櫻…

【ボールのようなことば】糸井重里「ちょっとずつだけ、ちょっとだけ変わる。」

【ボールのようなことば】糸井重里 ちょっとずつだけ、ちょっとだけ変わる。 変わってないじゃないかと思えるような時期もある。 うわぁ、すっかり変わっちゃったと思える日もある。 行ったり戻ったり、足踏みしたりしながら、 あるとき「もう、変わったって…

【きいろいゾウ】西加奈子「ただ、もう、泣いている。笑うのと一緒だ。」

【きいろいゾウ】 西加奈子 僕がツマのことを好きだと思うのは、こういうときだ。もう二十歳をとうに過ぎているのに、幼稚園の女の子のように泣く。うえーん、うえーん、とそれはそれにたくましい。女の人に泣かれると、たいていの男は弱い。僕もそうだ。何…

【サーカスナイト】よしもとばなな「わずらわしくても、つながっていてちょうだい。」

【サーカスナイト】よしもとばなな つながりのない生き方はよくないよ、せめて私たちとはつながっていて、と義母はいつも私に言う。 自由なのはいい、うんといいことだ、でもだれともつながっていない、いつ切れるかわからないようなつきあいばかりの人生は…

【ハーモニーの幸せ】田口ランディ「品位とは色気であり、色気のない品位などありえない。」

【ハーモニーの幸せ】田口ランディ 女性がいつまでも女性的魅力を失わないこと。その意味を再び考えた。 命の伝承をする人たちは、みな、ある「色気と品位」をもっている。この二つは矛盾するように思えるけれど、実は同時に立ち上がる力だ。品位とは色気で…

【かもめ食堂】群ようこ「自然に囲まれている人がみな幸せになるとは限らないんじゃないかな。」

【かもめ食堂】 群ようこ 「自然に囲まれている人がみな幸せになるとは限らないんじゃないかな。どこに住んでいても、どこにいてもその人次第なんですよ。その人がどうするかが問題なんです。しゃんとした人は、どんなところでもしゃんとしていて、だめな人…

【蘇える変態】星野源「生きるとは、自分の限界を超え続けることであり、生きるとは、死ぬまで諦めないことである。」

【蘇える変態】 星野源 「一部の人だけ聴いてくれればいい」なんてツマラナイことは死んでも言わん。「どんな方法でもいいから売れたい」なんて恥ずかしいことは死んでも思わん。自分が面白いと思ったことを満足いくまで探りながら、できるだけたくさんの人…

【僕はがんを治した】福島正伸「病気は愛の塊」

【僕はがんを治した】 福島正伸 「病気は愛の塊。いろいろ教えてくれる。好きなことを追及しなさい。それは楽しいこと、愛に溢れたこと、そして笑顔がいっぱいになること。 すべてに気づき、すべてを味方にして、すべてを生かす。そのためにいろいろな工夫を…

【まとめ】本ことば

【本ことば】 まとめの目次 <あ行> 甘糟りり子 【産む、産まない、産めない】 ・具体的な言葉を当てはめたいという欲求が生まれた。 糸井重里 【ふたつめのボールのようなことば】 ・こころの面倒を、引き受けないと、いけないんだ。 こころの面倒を、引き…

【アナザー・ワールド 王国 その4】よしもとばなな「だれもだれかを裏切ったり背いたりしないよ。」

【アナザー・ワールド 王国 その4】よしもとばなな 「だからね、先に進みなさい。もう別れた恋人のことは忘れろ。嘘をついて生きてると、心も体もおかしくなってくるよ。そんな時間はないだろう。楓のことを思い出したよ。あんなふうにたいへんに生きてやっ…

【いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ】田口ランディ「お互いがお互いのおいしさを引き出しあうの。」

【いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ】田口ランディ ぬか床というのは、いろんな野菜を漬けると、 どんどんおいしくなるのね。 きゅうりはきゅうりのまま、 なすはなすのまま、 にんじんはにんじんのまま、 それぞれの野菜が、それぞれの野菜のまま…

【i(アイ)】 西加奈子「それってあんたの苦しみなんだから。それに嘘をつく必要なんてない。」

【i(アイ)】 西加奈子 「それってあんたの苦しみなんだから。それに嘘をつく必要なんてない。あんたは馬鹿じゃないから、そのことを私以外には言えないだろうって思う。そうだね、馬鹿じゃないどころか、賢すぎるんだよ。」 「そんなことない。」 「正直にな…

【異性】角田光代 穂村弘「女性がよく云う「或る日、何かのきっかけで生理的に受け付けなくなる」みたいなことも、男性の口からはきいたことがない気がする。」

【異性】角田光代 穂村弘 私感では、男の人というのは一回好きになった人を、よほどのことがなければ嫌わない。憎むなんて、めったにしない。もはや幻想の域に達していると周囲は思っていても、かつて好きだった人・交際した女性を、神聖化している。そのこ…

【本当に自分の人生を生きることを考え始めた人たちへ】銀色夏生「イベント、ってなに?」

【本当に自分の人生を生きることを考え始めた人たちへ】 銀色夏生 銀色 じゃあさあ。最初っから聞きたいんだけど、イベント、ってなに? 冨田 なんでしょう。渦とか、場とか、そんなイメージです。同じ時に同じ場を共有する機会、みたいな感じですかね。 銀…

【異性】角田光代 穂村弘「なんとなく気づいたら好きになっていたり、つきあっていたり、するのだ。」

【異性】 角田光代 穂村弘 でも考えてみるに、穂村さんが書かれていたように、本当は理由なんかない。なんとなく気づいたら好きになっていたり、つきあっていたり、するのだ。だから男性は私の執拗な質問に答えられない。 そこに理由が欲しい、というのは、…

【きいろいゾウ】西加奈子「必要なもの   」

【きいろいゾウ】 西加奈子 必要なもの ・朝食のトマトと岩塩 ・そば殻の枕 ・お香「ピーターパン」のにおい ・・・・ ・欠け始めた月 ぼくのつま 最初と最後の違いは、 【わたしのつま】がそこに入っているか、どうか。 入るにいたった物語が その間の45…

【ふくわらい】西加奈子「定の体は、絶対にそこにあって、それは、定の体以外の、何ものでもないのだ」

【ふくわらい】 西加奈子 定は、まず、暗闇の中で、自分の手を見てみる。見えないはずなのに、見えるような気がする。何故なら、そこに手は「ある」からだ。定はしばらく、自分の体の気配を感じる。真っ暗闇の中、動かずにじっとしていると、体の輪郭が溶け…

【よろこびの歌】宮下奈緒「歌う楽しさなんて、私は知っていたのだろうか?」

【よろこびの歌】 宮下奈緒 多くを望まないつもりで、実際にはとても多くを望んでしまっていたことに私はすぐに気がついた。うまくなくてもいいから歌う楽しさを知ってほしいと、たぶん私は思っていた。たぶん、というのは、そのときの率直な気持ちを正確に…

【アムリタ】吉本ばなな「その考えを吐き出すのは、お話を作ることしかないって思った」

【アムリタ】吉本ばなな 「夢に神様みたいなてかてか光った人が出てきて、何かを言ったんだ。そうしたら何かが変わっちゃって、頭の中が止まらないんだ。人間は、毎日ご飯を食べて、うんこやおしっこをして、毛が伸びて、ほんとは絶対にとどまれなくて、今に…

【ⅰ(アイ)】西加奈子「「みんな同じ」という「  」の中にみんなで入れられているようなものだった。」

【ⅰ(アイ)】西加奈子 日本の学校は属すということにかけては、これ以上なく適した場所だった。 アイの入学した私立の中学は同じ制服があり、同じ体操着があり、同じ給食があった。 「みんな同じ」という「 」の中にみんなで入れられているようなものだった…

【まく子】西加奈子「みんな「話すこと」を欲しがるモンスターみたいだった」

【まく子】 西加奈子 噂話はそこら中にあったけれど、大抵はみんなの暇つぶしの種にしか過ぎなかった。話すことが特別ないから、じゃあ誰かの噂話でもしましょうか。そんな感じだったし、その話の真相を本人に直接聞くこともしなかった。みんな「本当のこと…

【あと少し、もう少し】瀬尾まいこ「誰にも踏み込まれたくない。俺の中を知られたくない。」

【あと少し、もう少し】 瀬尾まいこ 「しつこく誘われるのは面倒だし、もしかしたら走ることも何か意味があるのかなって。まあ、そんな感じで来たんだ」 誰にも踏み込まれたくない。俺の中を知られたくない。ただそれだけの理由でここに来た。ばかばかしいけ…

【王国 その2】よしもとばなな「出し惜しみすると、かえって減っていくから。」

【王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法】よしもとばなな 「雫石は、自分の持っているものは、これまでの山奥での変わった暮らしだけだと思っているけど、そんなことはないよ。君は君でいるだけで充分いろいろ起きると思うから、もうどんどん手放…

【夏の森】銀色夏生「孤独で 細くとがって 人に理解されにくい」

【夏の森】 銀色夏生 私がほんとうに言いたいことは何だろう 今 言いたいことは 孤独で 細くとがって 人に理解されにくい やさしく ひんやりした 透明な何か 理解されにくい。 理解されたい気もするし、 簡単に、理解されたくない気もする。 繊細なわたしの…

【光の帝国 常野物語】恩田陸「そうすれば、あんたの背中には草は生えない。」

【光の帝国 常野物語】 恩田陸 「毎日を大事に暮らすことさね。しっかり目を開けて、耳も掃除して、目の前の隅っこで起きていることを見逃さないことだね。そうすれば、あんたの背中には草は生えない。草の生えない人間が、世界に生えた草を取ってくれる」 …

【ラリルレ論】野田洋次郎「合わないとこは合わないんだよ。 許すしかないんだよ」

【ラリルレ論】 野田洋次郎 「合わないとこは合わないんだよ。 許すしかないんだよ」 こんな言葉をかけられた。ほんとそうだ。 これがわかってれば、きっと大丈夫なのに。 僕らはどれだけ相手に、期待して生きてるんだろう。誰かにわかってほしいんだろう。 …

【つるかめ助産院】小川糸「先生の口から当たり前のように語られる自由な発想がうらやましかった」

【つるかめ助産院】 小川糸 先生の口から当たり前のように語られる自由な発想がうらやましかった。そして、自分の先生のようにたくましくなりたい、と強く思った。今までずっとしがみついて生きてきた私のこだわりなんて、先生の言葉の前では、軽く吹っ飛ん…

【地球に生きる私たちにできること】ムラキテルミ 木村秋則「読んだり、読みたかった本を、人様に見られるのって」

【地球に生きる私たちにできること】 ムラキテルミ 木村秋則 読んだり、読みたかった本を、人様に見られるのって、裸を見られるより恥ずかしいかも・・・・・・と、聖書と広辞苑を残し、処分しました。 本の好みって、 その人を表してくれるよね。 人の本棚…

【きいろいゾウ】西加奈子「そんな美しい言葉が、当たり前で、ありふれていて、」

【きいろいゾウ】 西加奈子 「彼は言いました。あなたの夫は、言いました。私は妻を愛している、と。そんな美しい言葉が、当たり前で、ありふれていて、そしてかけねのない言葉がこの世にあることを僕は忘れていたような気がします。それは水道の水のように…