ことばの世界

本から自分を知っていく、そんな場所

読書記録12【空が青いから白をえらんだのです】奈良少年刑務所詩集

【空が青いから白をえらんだのです】奈良少年刑務所詩集

 

空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫)

空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― (新潮文庫)

 

 

この題名に心打たれて

手に取った本です。

 

パラパラとひらいたら、

題名の詩がのっていた。

 

本の題名の一文だけ。

たった一文。

 

詩の題名は【くも】

 

くも

 

空が青いから

白をえらんだのです

 

 

空の青さに

はえる色をえらんだ

くも

 

あなたが青かったから

わたしは白にした

 

 

 

あなたが母だったから

わたしはこどもになった。

 

 

***

 

 

短い詩のなかに

表現されている

素直なこころ。

 

 

不覚にも

電車で読んでいたら

涙していました。

 

 

たった数行の詩に。

 

 

文章の量は

関係ないんですね。

 

 

 

【詩】にする可能性を

とても感じました。

 

 

作文や

読書感想文

じゃなくていい。

 

【詩】でいい。

【詩】がいい。

 

 

どんな表現も【詩】だから。

 

 

 

そうそう。

【詩ってなんだろう】の本をよんだときに

そんなことを思ったのでした。

kotoba-no-sekai.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本ことば034【あと少し、もう少し】瀬尾まいこ「誰にも踏み込まれたくない。俺の中を知られたくない。」

【あと少し、もう少し】 瀬尾まいこ

 

「しつこく誘われるのは面倒だし、もしかしたら走ることも何か意味があるのかなって。まあ、そんな感じで来たんだ」

誰にも踏み込まれたくない。俺の中を知られたくない。ただそれだけの理由でここに来た。ばかばかしいけど、今の俺には何より重要なことだ。

 

 

わたしの中なんて

誰にも知られたくない。

 

知られたくない部分がある。

 

 

知られたくない。

隠ぺいする。

そのことが動機で

行動することがあったって

別にいいんじゃないかと思うんだ。

 

 

知られたくないだって

一生知られたくないのか

今は知られたくないのか

あの人には知られたくないのか

いろいろ。

 

 

わたしは

自分の大事な部分こそ

知られたくないと

隠したくなるところがある。

 

いや、

隠すというよりも

あえて公にしない。

といった方が

ニュアンスとしては

合う気がする。

 

 

すべてを

誰に対しても

出していく必要はないと思うの。

 

 

 

あの人が嫌い。

この人の態度がムカツク。

あの時、悲しかった。

今、イライラした。

 

 

誰これ構わず

自分を全部、隠さずに

出す必要はない。

だからといって

必要以上に隠す必要もない。

 

 

いったい、

どっちなんだい。

と突っ込みたくなるけど。笑

 

 

自分を出すってね

それ相応のエネルギーも

必要になるの。

 

出す相手に

真正面に向かうつもりがないと

いけないと私は考えてる。

 

 

余計なエネルギーを

つかいたくないから。

省エネです。

 

 

 

大事な人だからこそ

大事な部分も見せていく。

 

段階があっていいじゃない。

優先順位やランク付けがあって

当然じゃない。

 

誰にだって

等しく、同じようになんか

できないよ、できるわけないよ。

 

 

 

わたしのことを

本当に知りたい。

と、思ってくれてる人になら

わたしは全だしできるよ。

 

ただの、

興味本位で聞いて

実はどうでもいいとか、

そんなんで聞かれたら

話したくないから

隠すんじゃなくて

ただ、話さないでいるけど。

 

 

そうか。そうだ。

 

「隠す」のと、

「話さない」

というのは違う。

 

 

いつでも出している。

ただ、相手がその出している部分を

見てくれているかどうか。なだけ。

 

 

そして、最後に。

意図して隠したのであれば、

見つけて欲しい裏返しなのかもしれないね。

 

 

あと少し、もう少し (新潮文庫)

あと少し、もう少し (新潮文庫)

 

 

本ことば033【王国 その2】よしもとばなな「出し惜しみすると、かえって減っていくから。」

【王国 その2 痛み、失われたものの影、そして魔法】よしもとばなな

 

「雫石は、自分の持っているものは、これまでの山奥での変わった暮らしだけだと思っているけど、そんなことはないよ。君は君でいるだけで充分いろいろ起きると思うから、もうどんどん手放したほうがいいんだよ。出し惜しみすると、かえって減っていくから。」

 

 

自分を生きていく中で

どれだけの荷物を抱えているんだろうか?

 

 

荷物というのは、

目に見えるものだけではなく

目に見えないものも含めた荷物。

 

 

どんどん手放していくの。

 

 

 

部屋にあるものたち。

 

クローゼットをあけて

今までに買った服を見る。

 

この白いワンピースは今も着たい?

このオレンジのスカートは?

あの黒いシャツはどう?

 

 

部屋という空間を

埋めているものたち。

 

 

お気に入りのものだったらいいの。

 

囲まれててしあわせなもの。

 

 

 

ただ、

買ったときにはお気に入りだったけど

アップデートされていく自分には

合わなくなったものもある。

 

 

だから、

点検して手放していく。

 

 

 

それは、

心にある空間も一緒。

 

 

あの思い出。

あの出来事。

あの時味わった感情。

 

今も必要?

それともいらない?

 

 

いらないものを

手放していくのと同時にね

 

 

大切だからこそ、

自分独り占めしたいものを

手放して

分かち合っていくことも

していくの。

 

 

 

そう、

出し惜しみはしない。

 

 

 

どんどん出せばいい。

 

 

出せるということは

それだけ

わたしという空間の中に

溜め込まれていたものだから。

 

 

 

出すだけ、

新しい場所が生まれるよ。

 

 

 

出さないと

入ってこない。

 

 

 

出し惜しみは

入ってくることを

阻止してしまう。

 

 

結果的に

めぐって、得られるはずのものも

取りこぼしてしまうことになるから。

 

 

 

どんどん出していく。

どんどん手放していく。

 

 

 

手放した分だけ

身軽になっていくよ。

 

 

 

 

王国〈その2〉痛み、失われたものの影、そして魔法 (新潮文庫)

王国〈その2〉痛み、失われたものの影、そして魔法 (新潮文庫)

 

 

本ことば032【夏の森】銀色夏生「孤独で 細くとがって 人に理解されにくい」

【夏の森】 銀色夏生

  

私がほんとうに言いたいことは何だろう

言いたいことは

 

孤独で

細くとがって

人に理解されにくい

 

やさしく

ひんやりした

透明な何か

 

 

 

理解されにくい。

 

 

理解されたい気もするし、

簡単に、理解されたくない気もする。

 

 

 

繊細なわたしのココロを

誰がわかってくれるというのだろうか。

 

わかった気になんか

なってほしくないと

自分で自分を孤独に追い込む。

 

 

でも、

言いたくなるのは、なぜなのだ。

 

 

自分の内側だけで

完結するのなら、

言いたくならないのでは。

 

 

だとしたら、

理解してほしい気持ちも

ゼロではないはず。

 

 

 

うーーーーーん、

ココロというのは

自分でもわからない。

 

 

わからないから

自分を確認するためにも

言いたいことが湧くのかもしれない。

 

 

 

詩集 夏の森 (角川文庫)

詩集 夏の森 (角川文庫)

 

 

 

 

本ことば031【光の帝国 常野物語】恩田陸「そうすれば、あんたの背中には草は生えない。」

【光の帝国 常野物語】 恩田陸

 

「毎日を大事に暮らすことさね。しっかり目を開けて、耳も掃除して、目の前の隅っこで起きていることを見逃さないことだね。そうすれば、あんたの背中には草は生えない。草の生えない人間が、世界に生えた草を取ってくれる」

 

 

この草って、

何を象徴しているのだろう?

 

 

自分に対する

人に対する

【ウソ】【偽り】のことなのだろうか。

 

 

見たことを

見なかったことにしない。

 

聞いたことを

聞かなかったことにしない。

 

 

見ないふり、

聞かないふりは

ココロにモヤモヤを生み出す。

 

 

やらなかったことは

シコリになっていく。

 

 

そうして、

やらなくてよかった理由を

人は生み出していく。

 

その生み出しに

生産性があるわけがなく

ただの、膿出しにもならず

膿をためていくだけ

ためこんでいく。

 

 

 

自分の小さなウソを

見逃さない。

 

自分に正直に生きる。

 

 

正直な人は

光を浴びさせることができる。

 

 

隠していたウソに

光を当てる。

 

 

 

ウソはウソを重ねていく。

 

ウソのない人生を。

 

 

正直に生きている人は

【草】は生えないのではないのかと

思うのです。

 

 

 

光の帝国―常野物語 (集英社文庫)

光の帝国―常野物語 (集英社文庫)

 

 

読書記録11【他動力】堀江貴文

【他動力】 堀江貴文

 

多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)

 

 

 これから先

自分を生きていくなら

必読書だと思う。

 

 

目次だけ読んでも

エッセンスが盛りだくさん。

 

 

 

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今の時代にあった

生き方、働き方に

変えて行かないと

時代に置いて行かれる。

 

 

そもそもで

生き方=働き方

になる。

 

 

 

ひとつの会社に属して

定年まで過ごしていく時代は

とっくに終わっている。

 

ひとつだけの仕事しかしない。

ということも昔の話になるんだろう。

 

 

 

会社のためにと

会社のためだけの時間、

人に言われたことだけをする時間

過ごしていたら、

自分を生きる時間は

ほぼなくなる。

 

 

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時間は限られている。

1日は24時間。

 

24時間をどう過ごすか。

 

一生をどう生ききるのか。

 

 

 

動かないと、

動いていかないと、

結果は出るはずはない。

 

 

動こう。

 

 

そうそう、

わたしは飽きっぽい。

 

あれも、これも、それもと

手を出したい。

 

飽きっぽさは

悪いことではない。

 

多方面にアンテナを立てて

気になったら動いていけることは

才能である。

 

 

他動力を活かしていこう。

 

新しい言葉5【轍(わだち)】

聞いたことはあるのに

意味がわかってない

なんとなくの言葉が

けっこう多いものです。

 

知らなくても

前後の文で

ニュアンスがわかるから

ひとつ、ひとつの意味まで

きちんと調べることはなかった。

 

 

ひとつ、ひとつの意味を調べると

今度は文章が読めなくなって

進めなくなってしまうから。

 

 

で、今日の言葉は

【轍(わだち)】です。

 

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轍をつかった言葉の例としては、

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同じ轍は踏まない。

人から学んでいくのです。

 

 

そうそう、

轍(わだち)を聞いたことがあるのは

コブクロの歌で、です。

 

 

題名が【轍(わだち)】ですからね。

 

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轍(わだち)の意味を知ったら、

歌詞の深みが増しました。

 

 

自分の道を切り開いて

進んでいく歌。

応援歌だ。

 

 

 

誰の足跡の無い

轍のない道を

進んでいこう。